物 理 検 層


物理検層とは各種の油、地熱、温泉井などの坑井内に測定器を降ろし、坑井周辺地層の物理的性質を深度に対して連続的に計測する技術である。
 坑井内に降下するゾンデと呼ばれる測定器には、測定する対象に応じたセンサーが内蔵されており、計測された信号はケーブルを通して地上の変換器を通り、記録装置に伝えられ、検層柱状図の形式で表示される。得られた検層記録は総合的に解釈され、地層の判定や地下の岩石の物性の把握に利用される。
      
検層模式
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電気検層(ES)  電気検層は比抵抗検層の一種で、導電性のある液体(水あるいは泥水)の満されたボーリング孔で電気的に行なわれる検層により、地質の比抵抗を深度に対応させ連続的に測定する方法である。
温度検層(TS)  温度検層は孔内の温度と深度に対して連続的に測定し、地層の温度を決定することによって地層の対比、逸・湧水層、帯水層等の位置判断に利用する。
ガンマ線検層(GRL)  ガンマ線検層は地層中に含まれている放射性物質から、自然に放射されている自然のガンマ線を深度に対して連続的に測定記録する。
 岩石は普通微量の放射性物質を含んでおり、推積岩の種類によって含有量が異なっているので、これらの放射性物質からガンマ線の変化を見ることができる。
流量検層(CFM)  スピンナー型の流量計で、検層の際は一定の速度で孔内を移動し、測定電極に対する流体の相対速度や検層速度を記録する。これに孔径のデータを加えて孔内流体の流量を求める。
孔径検層(CAL)  孔径検層は孔径の変化を深度に対して連続的に測定記録する。地上のコントロール装置から測定電極内の小型のモータでキャリパーアームを開閉できるシステムになっている。
ケーシング カラー ロケーター(CCL)  ケーシングカラーロケーターは、孔内に挿入されたケーシングパイプのカラー位置を検出し記録することが目的の装置で、CCLともいう。
 CCLはケーシングパイプのカラー位置を表示記録出来るので、パーフォレーション作業や、掘管等の抑留位置をチェックする場合の正確な深度を探知する為に使用されている。





検層機器一覧表

名 称 型 式 能力・仕様 製作会社
検層車 U-FRR32H
B改
車載重量:2.0t
油圧PTO回路
いすゞ
U-WKR55E
XH改
車載重量:2.0t
油圧PTO回路
ウインチ 車載式検層用油圧ウインチ
最大巻上速度:40m/…(無段変速)
ケーブル 5芯地熱検層用アーマードケーブル
外   径:8.4mm
切断荷重:4.0t
ケーブル長:3,000m
耐 熱 性:310℃
日本バルカー工業
荷重計 LU-2TE 測定範囲:2.0t(引張・圧縮型) 共和電業
記録計 R-300 チャンネル数:4成分(ペンキャブ付)
記録振幅:250mm
記録縮尺:1/10、1/50、1/100、1/200、
1/500、1/1000、1/2000
理化電機
FD-06 ドライブ数:2ドライブ
記録データー:0〜4000
電気検層器 ELM203型
SCM型
Rレンジ:10、20、50、100、200、500Ωm
コンバーター:150V、100mV
ハリバートン
温度検層器 D990-E936 OUT1: 0〜200℃/0〜100mV
OUT2:40℃巾/各0〜100mV
宝工業
ガンマー線
検層器
LPM-201
RMM-204
シンチレーションデテクター
カウント数 MAX 100K c.p.s
ハリバートン
孔径検層器 LPM-201
RMM-204
電動開閉式3アーム型
孔径測定範囲:2"〜24"
ハリバートン
流量検層器 LPM-201
RMM-204
スピンナー型 ハリバートン





坑井内火薬作業

ジェット・パーフォレータ

 ジェットパフォーレーターは、爆薬を圧搾成型した成型爆薬のジェット効果を応用しその合成力によって穿孔するものです。
 電気雷電、導爆線、伝爆薬、成型爆薬の順に爆発し、円錘状のライナーの中心から発生するジェットで鉄管、セメント等を貫徹し地層を穿孔します。貫徹力は実験により直径9mmの孔が10mmの鉄板を貫き、硬化セメント内を20〜30cm貫徹する力をもっています。

●ケーシングパイプを貫通し、地層内に直径9mm、深さ30cmの 穴を貫きます。
●任意の深度で穿孔し、温泉地下水等の開発に使用されます。
●温度180℃、水圧100Kg/の坑内条件のもとで使用できます。
●穿孔区間はカプセルキャリアーを継なぐことにより、地層の厚さに応じて対応することができます。
●穿孔密度はカプセルの装填数により最大1m当たり13発が可能です。 

バ ッ ク オ フ
 この作業は、孔井内において抑留された掘管またはケーシングパイプを抑留から上部の自由になっている鉄管をねじ戻して回収するために行います。
 導爆線を棒状に数各束ね、上端に電気雷管を装着し、鉄管内を通して降下します。
鉄管にはあらかじめ戻したい深度のジョイントが引張力、および圧縮力がかからない中性点になるよう鉄管を張り、規定の左トルクをかけておきます。
 目的の深度正確に設置するために、ケーシングカラーロケーターと共に降し、ジョイントが導爆線の中心位置になるようにして導爆線の爆発圧による衝撃をジョイントねじ部に与えます。この衝撃で左トルクが作用し、ねじが戻ります。